紫芋「エイムラサキ」を原料に醸造した芋醸造酒です。開発のきっかけは、ワイン酵母を使ってエイムラサキの
芋焼酎を試作した際、蒸留前の醪(もろみ)を試しに舐めてみたところ、通常の焼酎醪とは異なる非常にきれいな風味
があり、それを活かした酒造りが出来ないかというのが発想のスタートでした。芋を使った醸造酒の実例は世に
あるものの、薩摩酒造で製造するのは初。チャレンジのスタートでした。
清酒用の圧搾機を使用しエイムラサキから製造した醸造酒は、きれいな赤紫色をし、味や香りに非常に可能性を
感じられるものでした。温度管理が極めて重要になるため11月以降の比較的寒い時期に製造期間を絞り、芋の量や
複数種類の麹や酵母をテストし、納得のいく原酒が完成しました。
そこから更にこだわったのが貯蔵用の樽です。薩摩酒造は焼酎業界で唯一「樽職人・樽工房・樽貯蔵庫」の全てを
有する蔵元であり、今回の「SS.L_03」のために専属の樽職人がオーダーメードで1本の樽を手造りしました。
使用した木材は、通常アメリカンホワイトオークが使われることが多いですが、いくつかの木材をテストした結果、
選ばれたのは他の材に比べて味わいのバランスがよかったロシアンオーク。ワインで使用される樽を参考に樽の
内面の焼き加減を調整して完成させました。このオリジナルの樽を活用し、合計で凡そ1年間の熟成期間を経て
生まれたのが「SS.L_03」です。
ラズベリーのコンポート、熟したプラム、スミレを思わせるフローラルな香り。芋や樽に由来する香味も
バランス良く感じられ、爽やかな酸味がある事が特徴です。クルミ、なめし皮等熟成由来の深い香味も楽しめます。
要冷蔵商品となっておりますので、冷やしてそのままワイングラスに入れてお楽しみください。
SS.Lシリーズ
SS.Lとは
薩摩酒造のラボ発の「モノづくりの可能性に挑戦する」新しいブランド。酒の可能性を否定しない。
志あるチームとスタートさせたのは実験的な試み。ラボにあったのは、一般流通させるにはあまりに
少量しか製造出来ない魅力的なサンプルや、頭の中にだけあって形に出来ていなかったアイデアだった。
今まで出会った事のない酒を目指して。薩摩酒造ラボ発の挑戦的な新シリーズ。